皆さんこんにちは。ジャパンハートの「グローバル人材開発コース」の受講生としてカンボジアで活動している看護師の根釜です。
ジャパンハートの医療活動の大きな特徴は「寄付金で支えられていること」です。
今回は実際に私がカンボジアで医療に携わるなかで感じたこと、大切にしていることをお伝えできればと思います。
薬剤の空き箱をメモ用紙に
私たちが活動する病院「ジャパンハートこども医療センター」は、皆さまからのご寄付で運営されています。
小児がんの治療だけでなく成人の患者さんに対しても無料で医療を提供していますが、当然、病院の運営には設備の維持費、医療機器、薬剤の調達・管理費など、さまざまな面で経費がかかります。
この病院では日々、使用する全ての物が寄付金や物品のご支援によって支えられているので、スタッフも物を大切にする意識を持っています。
私も日本で働いていた時以上に「物品を大切に扱う」という意識が強まりました。
貴重な医療資材を無駄にしないという意味だけではなく、使用後も他の用途で活用できる物は再利用するなど、さまざまな工夫をしています。
例えば、薬剤の箱は捨てずにメモ用紙にしたり、シリンジが入っている袋は排尿バックやコードを結ぶヒモとして使用したりしています。
医薬品の調達に同行
私がカンボジアに来て3カ月。日々活動するなかで、「いつも何気なく使用している医療器具や薬剤はどのように調達されているのか」、「どのような工夫がされているのか」、興味を持つようになりました。
そこで薬剤部チームに同行して、医薬品の調達の様子を見学させてもらうことにしました。
「ジャパンハートこども医療センター」の周辺には小さな薬局はありますが、病院で使用する医薬品を大量に調達できるような場所はありません。
そのため月に1度、薬剤師チームが車で1時間ほど離れた首都・プノンペンまで買い出しに行ってくれています。
今回、その医薬品の調達現場に同行させてもらい、多くの学びがありました。
薬剤師の皆さんは、少しでも安く仕入れるために4軒も5軒も薬局を回ったり、出来るだけ無駄が出ないように実際に使用した薬剤量や在庫の状況を確認し、仕入れの量を細かく調整したりしていました。
私たちが普段何気なく使用している薬剤や医療機器も当たり前にあるのではなく、こういった方たちがいることで使用できているのだと実感し、改めてこの病院で活動する医療者の1人として、「本当にその医薬品がこの患者さんに必要なのか」と考えて使うことが大切だと感じました。
無料で医療を提供している以上、出来るだけ無駄を減らした上で、最大限の治療の効果を引き出すにはどうしたら良いかと、1人ひとりが考えながら活動することが必要だと改めて感じています。
この病院では本当にたくさんの職種の方が活動しています。医療職だけではなく、そのほかの職種の方の活動も間近で見てきました。
それぞれのスタッフがそれぞれの役割でジャパンハートの医療活動を支えていますが、その裏にどんな工夫があるのかを知ることで、ジャパンハートのカンボジアでの活動全体を見ることができ、自分自身の視野や活動の幅も広がると思います。
根釜 宏平 グローバル人材開発コース 看護師受講生 62期生
大阪府出身。6年間の看護師経験を経て参加。「生まれた国、環境によって満足した医療が受けられない境遇でも、子供たちが夢を持ち、生まれてよかったと思える環境をつくれるよう関わっていきたいです」
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カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動