活動レポート

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大学生の私がカンボジアに来た理由

up 2023.09.20

皆さんこんにちは。学生インターンの髙橋です。
私は1年間、大学を休学してカンボジアでジャパンハートのインターンに参加しています。
今回は、なぜ私がこの活動に携わりたいと思ったのか、これまでの経緯や現在の活動についてお伝えできればと思います。
(髙橋明日香 長期学生インターン)。

きっかけは医療支援… ではなく、教育!

私は現在、オーストラリアの大学で社会学を学んでいます。
なぜ医療職を目指す訳ではない私がジャパンハートの活動に興味をもったのか。

きっかけは「教育」でした。

ジャパンハートについて知った当初は「東南アジアで活動する医療の団体」という印象が強かったのですが、その後、教育支援にも力を入れていることを知り、カンボジアで教育支援に携わりたいという思いを持っていた私は強く興味をひかれました。

中学生で目の当たりにしたカンボジアの教育課題

そもそも私がカンボジアの教育について興味をもつようになったのは、中学生の頃、スタディーツアーでカンボジアの孤児院を訪問したことがきっかけです。

冒頭の写真は当時のもの。

今の時代に、未だに「孤児院」がたくさんあること。
そこで自分と変わらない年齢の子どもが数多く暮らしていること。
「教育を受けられる」というのは、当たり前ではないこと。

訪問する前から何となくイメージはしていましたが、自分が生まれ育った環境とは180度違う世界でたくさんの子どもが暮らしていて、強い衝撃を受けたことを今でもよく覚えています。

その時から「将来は教育に携わりたい」、「いつかカンボジアに戻って教育支援をしたい」、という思いを持つようになりました。

その後はしばらくカンボジアから遠ざかっていましたが、大学生となりカンボジアでインターンができないかと考え始めた時、ジャパンハートの活動について知りました。

ジャパンハートが行う教育支援とは

奨学金生出身の医師

ジャパンハートがカンボジアで行う教育支援。
それは、医師や看護師といった医療を支える人材を育てるための「奨学金制度」です。

カンボジアでは70年代のポル・ポト政権下で多くの医療者が虐殺され、現在に至るまで医療機関も、それを支える医療従事者も足りていません。

そのため医療従事者の育成は喫緊の課題ですが、貧困も深刻で、医療従事者を目指したくても経済的な理由で大学進学を諦めてしまうという若者が数多くいます。

そうしたなかで、ジャパンハートは「医療者になりたい」という熱意のある学生の夢を後押ししようと、【夢の架け橋プロジェクト】という奨学金制度を設けています。

「カンボジアの若者が自らの力で国を立て直すのを支える」という方針のもと、成績優秀なのに経済的に自力での進学が難しい高校生を対象に、大学進学から医師免許又は看護師免許の取得までをサポートする制度です。

【夢の架け橋プロジェクト】について、詳しくはこちらから

ジャパンハートがこの奨学金制度を始めてから今年で13年目。
奨学金生の「里親」として多くの個人や法人の皆さまにご支援いただき、これまでに合計22人の医師と看護師を送り出してきました。

「ジャパンハートこども医療センター」でも、多くの元奨学金生が医師や看護師として活躍しています。

奨学金生出身の看護師たち

念願の奨学金生プロジェクト!

そんなこんなで、「奨学金制度に携わりたい!」という一心で応募したジャパンハートのインターン。
無事に合格し、今年2月からカンボジアで活動しています。

普段は広報業務を中心に活動していますが、希望通り奨学金事業にも携わらせてもらっています。
なかでも重要な業務のひとつが、「奨学金生の選定」です。

カンボジアでは大学卒業までに看護学部は4年、医学部は最短で8年もかかります。
そのため、試験や面接の成績だけではなく、家庭の経済状況や医療従事者を目指す熱意や覚悟についても細かい選考基準を設けているのです。

家庭訪問の様子

経済状況を確認するために、実際に応募者の自宅にも出向きます。
今年は6月のはじめに来年度の奨学金生を選ぶための家庭訪問が行われ、私も同行しました。

ジャパンハートの奨学金生は、いずれも南東部・プレイベン州の出身です。
プレイベン州にある複数の高校と連携して奨学金制度を実施しているためで、家庭訪問の際に私は初めてプレイベン州を訪れました。

首都プノンペンから車で2時間ほどのところにある「農村地帯」。
そう聞いていましたが、「農村地帯」と聞いて想像する以上に田舎で、都市部を抜けてからは舗装されていないデコボコ道がひたすら続きました。

今回は、合計10人の応募者の自宅を回りました。
幼い兄弟がたくさんいるため、奨学金を受けられなければ看護師になることは諦めて働きに出るという生徒。
お父さんが失明したことをきっかけに医師を目指すようになったという生徒。

1軒ずつ家をまわり、本人や両親の話を聞くなかで、1人ひとりが異なる背景事情を抱えていること、そして熱い想いをもって医師や看護師を目指していることがひしひしと伝わってきました。

口をそろえて「勉強することが好き」「もっと勉強したい」と話していて、「出来ることならば、みんな奨学金生に選んであげたい」と強く思いました。

生徒たちの勉強スペース

まだまだ続く選考

無事に10軒の家庭訪問が終わり、次のステップに進んだのは7人。
このあとは筆記試験と面接試験が控えています。そして、試験を経て奨学金生に選ばれたとしてもそこで終わりではありません。

その後には、高校の卒業試験、そして大学受験とまだまだ試練が続く奨学金生たち。

私は夢に向かって頑張る彼らに直接何かしてあげられることはなく、ただ応援することしかできません。それでも、残り半年となったインターン生活を通して、見守り、全力で応援しようと思います。

引き続き、活動レポートを通して【夢の架け橋プロジェクト】の活動内容を発信してまいります。
皆さまも一緒に見守っていただけたら幸いです。


高橋 明日香(学生インターン)

2月から広報業務に携わらせていただいている、学生インターンの髙橋です。応援してくださる皆様の想いとカンボジアにいる患者さんとを、広報を通じて繋げられるよう精一杯頑張ります。よろしくお願い致します。


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