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【特集】 神経芽腫の少年ダラの闘い ~中編~

up 2023.04.27

【特集】 神経芽腫の少年ダラの闘い ~前編~はこちらから

手術当日

そして迎えた、手術の日。

いつものように朝、病室を訪ねると、ダラはベッドの上でお母さんに抱っこされていました。
普段はすぐに私に気付いて笑顔を見せてくれるのに、その日は違いました。

体調チェックなどで朝から看護師さんたちが慌ただしく病室を行き来していたからか、ダラは戸惑った様子で、私と目が合っても表情を変えません。

じっと見つめられて、どうしたら良いか分かりませんでした。

きっと2歳のダラは、これから手術を受けるということも、もっと言えば「手術」が何かも分かってはいなかったはずですが、いつもと違う空気を感じ取り、必死にお母さんにしがみついていたのだと思います。

時間がきて、ダラはお母さんに抱っこされたまま手術室に入っていきました。

部屋に入った後も、ギュッとお母さんの手を握り続けるダラ。

涙こそ見せませんでしたが、お母さんの顔を見上げる表情は、本当に不安そうで…。

手術室の扉の窓ガラス越しにその様子を見ていた私は、大人の自分でも不安なのに、2歳のダラはどんなに不安だろうかと、胸が締め付けられました。

ダラの手術を担当したのは、吉岡秀人医師のカンボジア入りに合わせて行われた「吉岡ミッション」の医療チーム。カンボジア人と日本人の総勢10人ほどです。

これまでにもダラは長い長い抗がん剤治療を耐えたのだから、絶対に大丈夫。
医療チームが、残さず「がん」を取り除いてくれる。

私はそう自分に言い聞かせて、その場を離れました。
それでも、仕事場に戻ってからも気付くとダラのことを考えていて、手術室の前に行ったり、病室で待つお母さんの様子を見に行ったり。

1時間経っても、2時間経っても終わったという知らせはなく、私は落ち着かない気持ちのまま、「どうか早く終わりますように」と祈るような気持ちで過ごしました。

中編はここまでです。最終回の後編は明日、お届けします。


高橋 明日香(学生インターン)

2月から広報業務に携わらせていただいている、学生インターンの髙橋です。応援してくださる皆様の想いとカンボジアにいる患者さんとを、広報を通じて繋げられるよう精一杯頑張ります。よろしくお願い致します。


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医療支援| ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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