はじめまして。
ジャパンハートカンボジアで 10 月から長期ボランティアをさせていただいております、臨床検査技師の由良と申します。
日本では総合病院に勤めていて(3年目)、専門は細菌検査ですがルーチン業務としては様々な分野で業務を行っています。
今回は職場の理解もあり休職という形でボランティア活動に参加することが出来ています。
この文章を記しているのが帰国1週間前ということで、このレポートでは私のここに来るまでの経緯と2か月半の活動内容、そして活動を通して感じたことなどを活動レポートとして残そうと思います。
今回、臨床検査技師が長期ボランティアとして当院に来るのは初めてのことで、マニュアルもなく仕事内容も細かく決まっていたわけではないので、自分がここにきて何が出来るのか不安と期待と共に日本を旅立ったことを今でも鮮明に覚えています。
私自身、実は約5年前に学生スタディーツアーに参加してこの地を訪れていました。
印象に残っているのが、当時いたあるスタッフの方に検査技師として海外協力をしたいけれど出来ることがないかもしれないと相談をした時、こう言われました。
「何が出来るかなんて実際に現地に行った人にしか分からない。考えすぎずにまず行動しなさい。若いうちに。」
この言葉は、私の座右の銘と言っても過言ではないほど影響をうけた言葉です。
この時に、私は検査技師になってここに戻って来るんだと決意しました。
今回、実際に戻って来てみて、同じ場所とは思えないくらい発展していることに驚くと共に、この5年間沢山の人々が力を尽くしてここまで大きくしてきたのだと考えるととても感慨深いものがありました。
5年前の病棟
現在の病棟
そんな気持ちを抱きながら始まったボランティア生活ですが、私の活動内容としては主にルーチン業務(採血・尿など様々な検査)、それに加えてマニュアル作成などを行ってきました。
普段は検査技師がいないため、多忙な中、様々な検査を看護師や医師が行っています。
そのためそれを私が担うことで業務負担の軽減ができ、かつ知識を持って正確に行うことができているのではないかと感じています。
特に骨髄検査(骨髄液中の細胞の形を顕微鏡で見る検査)やグラム染色(細菌を顕微鏡で見る検査)は専門知識や経験が必要になるので、この病院に検査技師が必要だと改めて感じた最も大きな要因かもしれません。
日本の病院では、オーダーやデータが全て電子カルテによって報告・管理・閲覧されているため、検査技師が医師と直接話しながら診断し結果を報告する機会は少ないのですが、この病院ではデータが紙カルテで管理されており、オーダーも直接口頭指示で頂く事がほとんどなのです。
そのため医師との距離が近く、どういう経緯で何を疑ってこの検査を出したのかを直接聞くことができ、とても勉強になりました。
骨髄検査の様子
今回、5年前に描いた半分夢のようだった目標がこうして叶えられたことを大変嬉しく思っています。
今後も検査部門としては発展の余地がまだまだありますので、次は自分の専門である細菌検査が導入される際に立ち上げに関わりたいと勝手に願っている次第です…。
今後のジャパンハートカンボジアと検査の発展を心からお祈りし、最後の挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました!
I’m greatful to the people working with me!!
長期ボランティア 臨床検査技師 由良瑠菜
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