こんにちは!栄養管理部の上田です。
雨季が始まり、夕方のスコールが増えてきました。そんな気候の中、スコールの合間に広がる青空はとても気持ちが良いです。
さて、栄養管理部では、今まで衛生的で栄養バランスの良い給食を小児患者さんや病院スタッフへ提供してきました。給食を通じて小児患者さんだけではなく、病院スタッフにも少しずつ栄養を考える重要性が伝わり、興味関心を持つスタッフが増えてきました。また、院内だけではなく地域のヘルスセンターと連携し遠隔地で「モバイル診療(連携病院での外来・手術・病棟診療)」も実施しているため、生活習慣病などの患者さんに栄養指導を必要とする場面が多くなり、栄養士だけではなく医師や看護師も栄養に関する知識は欠かせません。
そこで、カンボジア人栄養士が病院スタッフを対象に栄養研修を行いました。事前にアンケート調査をし、栄養に関する知識や学びたい内容を把握しました。
病気の予防には欠かせず、自分自身の健康にもつながる一番重要な部分である”Healthy eating”(健康的な食事)について学びたいという回答が多く、第一回目は基礎的な内容としました。
栄養士として伝えたいことはたくさんありますが、患者さんへのアドバイスなど実践的なものに繋がるよう、必要最低限の内容を取捨選択し、最初に準備したスライドから半分程度に絞りました。カンボジア人栄養士は表面の知識だけではなく、「しっかりと理由から理解してほしい」という思いがあり、スライドを絞るのはなかなか大変でしたが、限られた時間の中で研修を終わらせられるよう、試行錯誤しました。
研修の中では炭水化物、たんぱく質、ビタミンなど五大栄養素の話、主食・主菜・副菜はどれくらいの割合で食べたら良いか、また食品の衛生についても話をしました。アンケートで実施した食品グループ分けテストの答え合わせや、〇×クイズも実施しし、「間違えていた…」といった様子で苦笑いをしているスタッフもいました。
カンボジア人栄養士は理解してもらいたいという強い想いから、後ろを振り返り、参加している病院スタッフに語りかけるように話をしていました。
今回の研修では全ての病院スタッフを対象とし、栄養の基礎的な内容としましたが、今後はさらに理解を深めてもらえるよう、それぞれの病気に特化した栄養についての研修も実施する予定です。栄養士の資格制度がないカンボジアだからこそ、「栄養を考える重要性」を理解し、正しい栄養のアドバイスができる人材を育てていくことは、とても大切だと感じています。栄養管理部では一人でも多くの仲間を増やしていくために、今後も様々なことに取り組んでいきたいと思います。
栄養管理部マネージャー 上田彩菜
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医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部