活動レポート

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お母さんたちが少しずつ、栄養への理解を深めています!

up 2022.05.11

こんにちは!栄養管理部の上田です。
カンボジアは乾季が終わりに近づき、夕方のスコールがだんだんと増えてきました。

栄養管理部の取り組みのうち、子どもたちに安全で栄養のある給食提供を行う活動は「ジャパンハートこども医療センター 給食プロジェクト」として、味の素ファンデーションからの助成金をはじめ、多くの方からのご支援で成り立っています。

一昨年は一つ目の指標である「喫食率の向上」に取り組み、昨年度二つ目の指標である「小児患者さん家族の衛生や栄養に対する意識を改善」をするために、患者さん家族への衛生・栄養教育に力を入れて取り組んできました。

カンボジアでは栄養のことを学ぶ機会が少なく、患者さん家族たちは入院中の子どもが治療や成長に必要な栄養を摂るために、何を食べさせてあげれば良いかわからないという方が多いです。
「知っている栄養素の名前は?」「食品グループが同じ食材は?」などと聞いてもなかなか答えが返ってきませんでした。
患者さん家族にとって栄養を学ぶのは初めての人がほとんど。
そこで、身近に感じてもらえるように毎日提供している「給食」を教材とし、栄養管理部スタッフが紙芝居の教材を使い、衛生や栄養の話をしました。

もちろん、栄養管理部スタッフにとっても患者さん家族に栄養のことを教えるのは初めてのことですが、今までの学びを元に練習し、自分たちも楽しみながら話をしてくれました。
たんぱく質やビタミン、成長期には欠かせないカルシウムといった栄養だけではなく、「正しい姿勢で食べよう」「よく噛んで食べよう」など食べ方についても話をしました。
栄養をしっかり体に取り入れるためにも、正しい姿勢でよく噛んで食べることはとても大切です。話をした後、患者さん家族は子どもに「座って食べよう」と声をかけてくれていました。

写真はペットボトルの教材を使ってカルシウムの働きを説明している様子です。
日本でもよく使われる教材ですが、カンボジアの子どもたちにも伝わりやすく興味を引くことができました。

さらにカンボジア人栄養士からは乳幼児の家族、学童期の家族などと対象を分け「離乳食」や「栄養強化飲料の選び方」など、それぞれの年齢に合った内容で栄養教室を行いました。
離乳食では適切な味付け・固さ・量などを学べるよう、実際に子どもたちに提供している「具入りお粥」を患者さん家族にも試食してもらいました。
調味料を使わない調理に少し驚いている方もいましたが、離乳食の重要性を理解してくれている様子でした。

栄養教育を実施する前は食品グループ分けテストで全問正解の人はわずか4%でしたが、後のテストでは30%まで増加しました。
同じ栄養素を多く含む食品を選ぶように説明しても、「一緒に調理するから肉と野菜?」のように答える方も多くいました。

また、栄養教育の後では「子どもが野菜や肉を苦手で食べられないから栄養がとれないのではと心配」「たんぱく質がたくさんとれるように肉や魚をたくさん食べてほしい」と患者さん家族が子どもの食事の栄養面にも意識を向けてくれるようになりました。

入院中に患者さん家族が栄養への理解を深められるよう、栄養管理部ではこれからも楽しみながら学べる栄養教育を続けていたいと思います。

栄養管理部 上田

▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部

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