ジャパンハートではカンボジアの院内での診療にとどまらず、日ごろから地域のヘルスヘンタ―と連携をとり、地域住民の健康をサポートしています。
その中で、ヘルスセンターから「高血圧の住民が多く悩んでいる」という声がありました。高血圧の原因の一つとして、食生活があげられますが、ヘルスセンターに栄養士はいません。
そこで、ヘルスヘンタ―の看護師などが地域住民に栄養指導できるようになることを目的として高血圧に関する栄養研修を実施しました。
事前の打ち合わせで、どんな内容を学びたいか、参加するスタッフの栄養の知識レベルや識字レベルなどを確認し、カンボジア人栄養士が講師となり研修を実施しました。
1回目は高血圧の原因や高血圧予防ための食生活のポイントなど、2回目は講師役、参加する住民役に分かれてロールプレイングをし、教え方や質問への答え方を学びました。
実際に血圧を測定したり、塩分濃度の異なるスープの飲み比べ、ディスカッションを取り入れ、参加者が楽しめるような内容にし、ヘルスセンタースタッフ・ヘルスボランティア合わせて10名が参加してくれました。
そして、2回の研修を終えた後、いよいよヘルスセンタースタッフが講師を務め、高血圧を抱える9名の住民へ栄養指導を行いました。
ヘルスセンタースタッフは講義をする中で、積極的に参加者へ話しかけたり、自分自身の体験談を交えたりして、飽きさせない工夫をこらしていました。
終了後、ヘルスセンタースタッフからは「講師をやってみて、楽しかった。」「自分の今までの経験が役に立った。」などと少し誇らしげに話してくれました。
地域のヘルスセンタースタッフへ栄養研修を行うのは、ジャパンハートカンボジアの事業の中で初めての試みでしたが、ヘルスセンター長をはじめ、看護師たちは前向きな姿勢で学び、地域住民へ栄養指導をしてくれました。
栄養士制度がないカンボジアで、一人でも多くの人が栄養指導を受けることができるよう、「栄養」を考えることが当たり前になるよう、ヘルスセンターなど地域の機関と協力し、活動を進めていきたいと思います。
栄養管理部 マネージャー 上田彩菜
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医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部