活動レポート

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看護師の底力 “なんとかする力”

up 2021.11.01

カンボジアはそろそろ雨季も終わって乾季に移り、過ごし易い季節になってくる今日この頃です。
先日懐かしい写真を見つけました。カンボジアの病院で初めて小児がんの手術をした時のものです。今でもあの時感じた大きな責任に対する不安は鮮明に覚えています。
でも覚えているのはそれだけではなくて、不安な中でもなんとかまわりの皆とチームとなって協力し、乗り越えていこうとしていたあの一体感です。

あれから3年が経とうとしている今、コロナだけのせいではないですが、今もそれぞれ問題や課題を前に様々な変革が求められています。
その中で、今いる場所でどう過ごすべきなのか…。
そういう時にできるだけ大事にしたいなと思うのは“なんとかする力”です。
カンボジアで一緒に働く様々なスタッフの中でも特にカンボジア人看護師はこのすごい力を持っていると思います。

「困難な状況を精一杯過ごす、凌いでいく」という意味での“なんとかする力”というのはトレーニングが必要なことだと思います。
しかし、トレーニングなしに現場実践しながら叩き上げるしかなかったりもするから結構疲弊もするのが正直なところです。

医療現場は患者さんの命がかかっているのに、例えば人手不足、能力不足、資機材不足、環境的要因、時間的制約などといったジレンマを抱えがちです。
特に、災害現場、途上国、僻地離島、あるいはそれ以外の場所の日常の中でさえも存在します。カンボジアでもそれは同じです。
実際ここでも限られたスタッフで成人病棟、小児病棟、手術室、一般救急外来でなんとか今できる限りのベストを尽くして患者さんをみています。

困難を目の前にした時、現状にパニックになり暴走するのか、満足いかないことを嘆いて怒り、悲しむだけなのか、いっそのこと目の前の問題から逃避して自分とは関係ないとして距離を置くのか、目の前のことを受け止めて前に進んでいくのか…。

できれば目の前のことを受け止めて前に進んでいきたいのですが、これがなかなかに難しい。まさにそれが“なんとかする力”だと思います。
いわゆるやばい状況でも「やばー\(^o^)/」(もちろんクメール語でのやりとり)みたいなことを言いながら、決してふざけてはいないのですが、でもどこか楽しげに乗り越えていく。
ここにいる看護師はそうやって幾度とある困難を乗り越えてきたのだと思います。

やっぱりこのなんとも言えないチーム感をかんじながら、協力して過ごしていくのは、たとえ大変な状況だとしても殺伐とはせずどこか清々しいものです。そんな看護師は皆なんだか頼もしく、かっこいい。

私も、一日本人看護師としてたとえ尊敬する先輩方に及ばなくても凹んでる場合ではないので、私は私らしく“なんとかする力”を持ってやれることをやっていきたいと思います。

さて、カンボジアは気温30℃が当たり前の環境ですが、これからの乾季は朝晩冷えて25℃を切って寒くなるなと心配しているのですが、“なんとか”頑張ります(笑)

看護師 松見

▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援| カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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