こんにちは!栄養管理部の上田です。
7月から栄養管理部にカンボジア人栄養士が加わり、新たな取り組みを始めています。
カンボジアには栄養士の資格ありませんが、タイで栄養を学び、資格を取得したという、これからのカンボジアにとって欠かせない人材です。
信頼関係を築くために・・・
栄養管理部の調理スタッフへ、以前から栄養士のことについて、何度か説明をしてきました。
しかし、カンボジアには栄養士の資格がないため、調理スタッフにとって「栄養士」の仕事を理解することは簡単ではありません。
そこで、まずはお互いの仕事を知ることから始めています。
栄養士は調理スタッフの仕事を知るために、調理作業、食器洗浄や清掃まで、一連の仕事を手伝います。
そして、調理スタッフは、栄養士の食事聞き取り調査に同行、対象年齢別の栄養に特化した栄養教室に参加、栄養士が参加している医師や看護師とのミーティングの見学などを行い、今まで経験したことのない仕事への理解を深めます。
最初、調理スタッフは「調理は自分たちでできるので、栄養士は栄養の仕事をしてくれれば良い」という考えでしたが、お互いにどのような仕事をするのか理解していく中で、「栄養士の目線から献立に関して栄養的なアドバイスが欲しい」「調理の味付けは大丈夫か一緒に確認して欲しい」との声もあがるようになりました。
また、栄養士も「彼らは調理のプロだから、どんな食材を加えればいいかを伝えれば、後は美味しく作ってくれる」と調理の心配はせずに、献立に対して栄養を強化するためのアイディアを提案できています。
今回、初めてカンボジア人栄養士と働くことになり、お互いどのように信頼関係を築いていくか、まだまだ手探りでぶつかることもありますが、少しずつお互いを理解し始めています。
新しい取り組み
カンボジア人栄養士が加わったことにより、新しい取り組みがスタートしています。
栄養管理部内で献立会議を開き、調理リーダーが立てた献立をもとに、「どうしたら栄養価を高められるか」「どうしたら小児患者が食べやすいメニューになるか」などディスカッションをして、いつもの献立に+αの工夫を加えてよりよい献立作成に取り組んでいます。
いつものココナッツミルクゼリーに小豆を加えてたんぱく質を強化する、いつもの野菜スープをポタージュにして食べやすくするなど、栄養士、調理スタッフがお互いにアイディアを出し合います。
また、栄養士が小児患者さんの食事内容の聞き取りをして、個々にアドバイスをしたり、小児患者さんのお母さんたちに栄養教室を行い、それぞれの年齢に応じた必要な栄養素について説明するなど専門性を活かした活動も行っています。
現地の言葉が話せる栄養士の話をお母さんたち熱心に聞き、少しずつ、子どもの栄養を気にかけてくれるようになりました。
「栄養士と調理師はライバル」と言われることもありますが、栄養を考えるプロ、美味しい料理を作るプロ、お互いに欠かせない存在です。
新しく生まれ変わった栄養管理部は、お互いに協力し、治療を頑張る子どもたちにもっとたくさんの喜びを届けていきたいと思います。
栄養管理部 マネージャー 上田
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医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部