活動レポート

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半年間を振り返って

up 2021.08.03

私は消化器外科医として今回長期ボランティアに参加しました。
当初はコロナ禍が落ち着いてから来ようと思っていましたが、こんな時期だからこそより人手が足りなくなっている現状を知り、本年1月にカンボジアに入国しました。

半年間の滞在でしたが、コロナの影響によるロックダウン、手術活動停止、病棟閉鎖、そこからの手術再開など、色々な出来事がありました。その間、神白先生をはじめとする日本人スタッフの皆さんの御苦労、御尽力をそばで拝見し、本当に頭が下がる思いでした。
感謝してもしきれませんが、熱帯のハードワーク、今後もお体には充分に御留意ください。
それと同時に、大変印象に残ったのは、カンボジア人スタッフの優秀さとおおらかさでした。ときどき『すぐに休みたがる』などと揶揄される事もありますが、眉間にしわを寄せ神経をすり減らして生きるより、穏やかな心の幸福を追求する賢さを持っているように思います。もちろん医療には厳しさも必要ですが、日本人は少し肩ひじを張りすぎているのかも知れません。

半年間を振り返って ジャパンハート 医師

私は年齢的にもカンボジアの若い医師たちに技術や知識を伝える立場にあるのですが、彼らの高い才能と頭の切れには感服しました。すぐに『下手な事を言っても見透かされるだけ』と気づき、ごまかさず自分のできる全てを誠実に伝えるしかないと思いました。
しかし実際には自分がカンボジア人に学ばせてもらう事の方が何倍も多かったと思います。また、彼らの寛容なやさしい気持ちにはずいぶん癒されました。われわれ日本人が、清潔さと正確さを極度に追求した結果、失くしてしまった大切なものがカンボジアには残っているように思います。

半年間を振り返って ジャパンハート 医師

くわえて特筆すべきはカンボジアの自然の豊かさ、美しさです。
自然を愛でるようになったら老人になった証拠という人もいますが、カンボジアの自然は無条件に美しい。鮮やかな原色の風景の中で生命が躍動しています。憂鬱な朝も、みずみずしい樹々とたくさんの鳥の声で、気分が一新します。もちろん雷や洪水など、自然の脅威も存在しますが、人間は偉くない、まわりの生き物と同じように生きていると思えてきます。
短い期間でしたが、ジャパンハートのスタッフの方々には本当にお世話になりました。
また活動期間中、私の力不足で助けられなかった方々にお詫びし、御冥福をお祈りします。
私は今後、半年間北海道(北見みやけ医院)で勤務、残りの半年をカンボジアでボランティア というサイクルを続けていく予定です。
最後になりますが、このような幸せな時間を与えてくれたみやけ医院と、カンボジアまでついてきてくれた妻に感謝いたします。
本当にありがとうございました。

半年間を振り返って ジャパンハート 医師

長期ボランティア医師 松永

▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援| カンボジア ジャパンハートこども医療センターでの医療活動

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