こんにちは。カンボジア広報の堀川です。
今回はジャパンハートカンボジアでの取り組み「Japan Heart Blood Donation Friends」についてご紹介します。
ジャパンハートでは「医療の届かないところに医療を届ける」をミッションに、経済的な事情で病院にかかる事のできない患者さんやカンボジアでは治療が難しいとされている子どもの固形がんの治療を行っており、治療の中で血液輸血が必要になる患者さんがたくさんいます。
しかし、カンボジアでは献血が一般的ではなく、献血に対する恐怖心がある事などから、慢性的な献血不足が国の課題となっています。
そのため、カンボジアでは日本と異なり、輸血が必要なタイミングで誰かが献血を行う事で、その人数分の輸血パックを貰えるシステムを導入しています。
例えば、輸血パックが3パック必要であれば、輸血センターに協力者を3名連れていき、献血してからその代わりに輸血パックが貰えるのです。
当院周辺には献血センターがないため、片道1時間半をかけて首都プノンペンまで輸血用の血液を取りに行かなければなりません。
また多くの小児がん患者さんは治療期間中に何度も輸血が必要になるため、家族が献血希望者を探すのに困難な場合があります。
これまで、そのような場合には当院のスタッフが献血を行う事で解決してきました。
また年に二回、ジャパンハートカンボジアでは献血イベントを実施。この機会に、ある程度まとめて献血を行う事ができていました。
前回のイベントでは50名以上の方が参加してくださいました!
本来であれば6月に献血イベントを実施する予定でしたが、カンボジアでは今年度に入ってから、急速に新型コロナウイルス感染症の拡大が加速。
この様な影響を受けて今回は断念せざるを得ない状況に陥りました。
しかし、現在ジャパンハートカンボジアこども医療センターでは、現在30名以上の小児がん患者が入院している事に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で献血希望者を見つける事がより一層難しい状況に。
そこで、今回はジャパンハートカンボジア初の試みとなる取り組みを開始。
献血により当院のサポートをしてくださる「Japan Heart Blood Donation Friends」の募集を行いました。
Japan Heart Blood Donation friendsとは、事前に団体の献血協力者として登録する仕組みです。
患者さんへの輸血が必要な時に、その登録者リストの中から呼びかけて献血をお願いしています。
カンボジア人だけでなく、首都プノンペンに住む日本人や外国の方も対象としており、開始から約2週間で既に40名の方から登録して頂きました!
6月26日(土)にはJapan Heart Blood Donation Friendsの3名の方から、当院に入院している小児がん患者へ献血の提供があり、今回いただいた血液は小児がん患者のベスナ君に使われました。
ベスナ君のお母さんは、「今献血を提供してくれる人がいなくてとても困っていましたので、とても嬉しかったです。本当にありがとうございました」と話してくれました。
社会情勢の変化に伴い困難に直面する事もありますが、その度に多くの方々に助けられ、こうして活動を続ける事ができています。
今後ともジャパンハートカンボジアでは、小児がん患者さんをはじめ、多くの方へ医療が届けられるよう尽力いたします。
ジャパンハートカンボジア広報担当 堀川
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