日本人の分娩はカンボジア人にとってどうなのか。
これって結構分からないもので、とても知りたいことです。
前回、活動レポートでカンボジアの分娩事情について書かせていただきました。
Japan Heartカンボジアでのお産事情
今回はそのパート2です。
”郷に入れば郷に従え”。国によって価値観が違うということは国際医療をしていていつも気をつけなければならないことだと私は思っています。
ここで助産師として分娩介助をしていて、カンボジアのお母さんたちはどう感じているのかなと改めて知りたいなと思いました。
この期間中、私たちの病院で調理師として働くスタッフが分娩をしました。
これはカンボジア人のお母さんに意見を聞くとても良い機会と思い、カンボジア人助産師にインタビューをしてもらいました。
左:カンボジア人のお母さん 右:カンボジア人助産師(写真撮影のために一時的にマスクを外しています)
彼女は31歳、今回4人目のお産をしました。
〈インタビュー内容〉
私は上の2人の赤ちゃんを伝統的産婆さんに介助してもらってお家で分娩をしました。3人目の赤ちゃんは6年前、国立病院で分娩しました。そのときはまだ、それほど近代的ではなかったです。
病院に着いたとき、子宮口は4-5センチ(全部開くと10センチになります)でした。助産師は全開大する(10センチになる)まで歩くよう彼女に言いました。そして、全開大しましたが、私はまだ赤ちゃんの頭が降りていないように感じていました。ですが、助産師はいきむよう言います。
私は赤ちゃんがまだ出てこられないと思いながらいきみました。そのあと分娩し、すぐに家に帰りました。
今回、4人目の分娩をジャパンハートでして、たくさんの違うなと思うことがありました。まず、ここでは助産師が赤ちゃんとお母さんの状態を何回も見にきて、状態を尋ねるので、いつもそばにいるように感じました。もう一つ、助産師は皆「全開大するまで歩いて」と言うと思っていました。でもここは違いました。
驚いたことに、ここのスタッフは休息を与え全開大するまで私と赤ちゃんの状態を確認しました。こんなこと、今まで聞いたこともないし、出会ったことがなかったです。
そして、分娩のスタイルも今まで知らなかったものでした。(*四つ這いの分娩をしました)これは驚きではありましたが、とても分娩しやすいスタイルでした。
なぜなら赤ちゃんの頭を出口のすぐ近くまで感じて、赤ちゃんが出てきやすいと感じました。分娩してから、ジャパンハートの助産師はお母さんと赤ちゃんをただチェックするだけではなく、どうやってケアするのかを教えてくれました。それはとても良いと思ったポイントでした。
お産は人それぞれ違いますが、今回このような意見を聞くことができてよかったなと思います。
ここでこのお母さんが思った”初めてのこと”は結構日本では”普通なこと”であることが多いです。この辺についてはまた別の機会にお伝えしたいと思っています。
国を超えても、私たちのお産がお母さんたちに喜んでもらえたことを日本人助産師として本当に嬉しく思います。
そして、こんな風に思ってもらえるような分娩をカンボジア人助産師と共にもっともっと増やしていきたいなと思います。
助産師 西川
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