こんにちは!栄養管理部の上田です。
毎日のようにスコールが降る雨季ですが、雨上がりの夜は涼しくて気持ちよかったりと、カンボジアならではの気候を楽しんでいます。
日本では学校の栄養士が給食の献立を考え、食育をして、という環境が整っており、子どもたちは栄養教育を受ける機会に恵まれてます。
カンボジアでは学校給食を提供している学校は少なく、「栄養士が学校にいる」ということもなく、カンボジアの子どもたちは栄養教育を受ける機会がほとんどありません。
しかし、カンボジアでも、政府が教材やカリキュラムを作成し、学校の先生たちが栄養教育をできるように準備を進めています。そのため、学校や教育委員会も栄養教育に関心を持ち始めており、今回は地域の中学校で栄養教育を実施することになりました。
学校にとっても栄養管理部にとっても初めての取り組みです。まずは地域の教育委員会と打合せをし、どこの学校で実施するか、他の学校へどのように取り組みを広めていくかなど相談しました。また、事前に実施する中学校へ行き、校長先生に説明をしました。校長先生は「子どもたちだけではなく、先生たちにもやってほしい内容」と重要性を理解してくれました。
準備にあたり、まずは子どもたちが学校でどのようなものを食べているかを調査しました。カンボジアでは子どもたちがお小遣いを持ってきて、休み時間になると学校の周りでお菓子やジュースを買って食べるということが一般的です。今回行った中学校でも、子どもたちはお菓子やジュース、焼きそばやパンなどの軽食を食べていました。子どもたちにとっては、毎日好きなお菓子を選べて、ジュースを飲めて、とても楽しそうです。
決められた給食を食べられるわけではなく、自分たちで何を食べるか選んで買う環境であるため、子どもたちが「栄養を考えて食品選択をできること」を目的としました。
カンボジア人栄養士(ティラ)と「子どもたちが楽しく学べることが一番!」と頭を悩ませながら、子どもたちが飽きないようゲームも取り入れることにしました。
授業ではたんぱく質やカルシウムなど成長に欠かせない栄養素、生活習慣病、お菓子やジュースの代わりにどのような食べ物を選べばいいかについて、また〇×クイズなどを行いました。ティラは子どもたちが積極的に授業に参加できるよう、「朝ごはん食べてきた?」「普段、ミルクは飲んでる?」などたくさんの問いかけをし、子どもたちも「朝はおかゆ食べた!」「昨日ミルク飲んだ!」など元気よく答えてくれました。
授業の最後に、知識の定着を確認するために、魚釣りならぬ食べ物釣りゲームを行いました。食べ物カードを釣り、食品のグループごとに分けて「フードピラミッド」を完成させていくというシンプルなルールです。2チームに分かれ、どちらが早く完成させられるか競い合います。チームメンバー同士、「ミルクは、たんぱく質のグループ?」「違う違う!カルシウム!」と協力しながら、必死に取り組んでくれました。
子どもたちからは「お菓子やジュースをたくさん食べると病気になるから気を付ける」「食べ物にはたくさんの栄養が入っていることがわかった」といった感想がありました。
先に授業を終えた小学生たちが「何やってるんだろう?」といった様子でたくさん覗きにきていました。
他の学校の校長先生たちにこの取り組みを紹介し、今後は地域の学校で先生たちが栄養教育をできるよう、たくさんの子どもたちに栄養教育を届けられるよう、サポートしていきたいと思います。
栄養管理部マネージャー 上田
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医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部