こんにちは!栄養管理部の溝口です。
休みの日は病院の周辺を30分くらいジョギングしています。
JHCMCのあるウドンという場所は運動習慣のある人が少ないからか、ジョギングする外国人はとても目立つようで(日焼け防止に真っ白なパーカーを頭から被って走るせいもありますが)、「ハロー!」と子どもが手を降ってくれたり、「モイ、ピー!モイ、ピー!(いち、にー!いち、にー!)」とおじさんがしばらくの間バイクで並走し、ペースメイクしてくれたりします。
現地の人との交流も走る楽しみの一つではありますが、景色もまた楽しみの一つ。車が入れないような舗装されていない道を行くと急に広がる青々とした田園風景やなぜ観光スポットになっていないのかというくらい立派なお寺、人々の生活ぶり・・・。
日本でジョギングを習慣にしようとしても1週間と続かなかった私がカンボジアに来て4か月経っても、水溜まりにはまりどろどろになっても、楽しんで走り続けられているのは、こうした交流や景色があるからだと感じています。
さて、栄養管理部は小児がんの患者さんとその家族に向けて、粘土を使った食育教室を開催しました。
きっかけは、小児がんの患者さんの間でカラフルな粘土遊びが流行っていたこと。食べ物やお花、ジャパンハートのロゴなどをとても上手に作っていました。
おそらくこのレポートを読んでくださる方たちの多くは、ごはん・パンは炭水化物が多くエネルギーのもとになる、肉・魚はタンパク質が多く体を作るもとになる、野菜・果物はビタミンや食物繊維が多く体の調子を整える・・・といったように体内での働き別に食品を分類できるのではないかと思います。
ですが、カンボジアでは「食品グループ」という認識はあまりなく、以前患者さんの家族向けに行った調査では、食品を体の機能別にちゃんと分類できたのはたったの4%。
患者さんに提供している給食は栄養に配慮していますが、その給食を食べさせる大人が食品ごとに機能があることを分からずに、子どもの好き嫌いに合わせて食事を与えてしまうと子どもの治療も成長も支えられません。
そこで、子どもには食べ物を身近に感じてもらい、大人には食品グループを理解し、バランスよく様々な食品を食べる重要性を理解してもらうことを目標に粘土で食べ物を作る食育イベントを開催しました。
カンボジアの保健省が提供する食品グループガイドラインはアンコールワットのピラミッドを模したフードピラミッドで表されます。
食品を6グループに分け、推奨量も分かるハイブリッド型です。
粘土工作が上手な患者さんに先生となってもらい、フードピラミッドに書かれた食品の作り方を他の子どもや家族、スタッフへ教えてもらいました。
子ども達は自前のヘラを取り出し、集中してパン、にんじん、トマト、バナナ、豆腐、魚、卵、えび・・・と、どんどん器用に作っていきます。お母さんも上手。
そして、作った食品をフードピラミッドのどこに入れるか考えたり、体内での働きを見てもらいました。短い時間の中でしっかり食品グループを理解してもらうことは難しかったですが、楽しい雰囲気の中で色んな食品を食べる大事さが伝わったのではと思っています。
手術や薬などの治療と違い、栄養はすぐに効果がでるものではありません。ですが日々バランスよく食べ、栄養をとることが丈夫な体を作り治療を支えます。
今後も楽しめる栄養教育活動を行い、入院生活を少しでも楽しくしつつ子どもたちの治療を支えていきたいと思います。
栄養管理部長 溝口
▼プロジェクトの詳細はこちらから
医療支援 | カンボジア ジャパンハートこども医療センター 栄養管理部