スースダイ!カンボジアのオペ室から看護師 角田です。
最近、デング熱やチクングニア熱の患者さんが目立ち、話題になってきたカンボジアです。(どちらも蚊によって媒介される伝染病です。)
2020年も下半期に入りました、7月のジャパンハートこども医療センターでの医療活動の手術活動の月刊報告です。7月は2日まで最高顧問の吉岡による手術活動が行われました。それ以降は週に5日を手術日とし、小児は35件、成人は87件、合計122件の手術が実施されました。
先月の吉岡の手術活動で、診察やエコーの所見等をスタッフ間で共有し、術前カンファレンスを毎日実施しました。吉岡による術中の指導も細かく行われ、小児・成人の鼠経ヘルニアや陰嚢水腫は条件付きで、常駐の医師による手術が可能になり35件の手術が行われました。
また7月より週に一度、他院に勤務する外科医のボランティアの参加が始まりました。外村修一医師は、元々日本では食道がんを専門に治療をし、現在はプノンペン市内の日系の病院にて、消化器疾患を中心に診療や手術を行っています。外村医師のボランティアが始まったことで、開腹の手術も実施されるようになり、がんの疑いのある子どもの生検手術が2件実施されました。子どもたちはすでにお薬による治療が開始されています。がん疑いの子どもの紹介が毎月増えている中、早めの生検手術が可能になったことで、迅速な治療が開始できるようになりました。
カンボジアのコロナの現状は、空港のPCR検査で数人判明する程度で拡大はみられていません。マスク姿の人はいますが、ショッピングモールや飲食店も前と変わらない印象で活気があります。多くの学校はまだ休校が続いている状況ですが、オンライン授業の合間にジャパンハートカンボジアの奨学生(医学部・看護学部)の学生さんが交代で手術の見学・手伝いに入りました。
当院のカンボジア人医療スタッフの30人のうち10人が元奨学生です。2011年から始まった奨学生事業ですが、こうして先輩から後輩へ指導している姿をみていると、頼もしくも見え、微笑ましくもあります。この若い学生さん達が医師・看護師となってこの病院に戻ってくる未来のために、今何ができるだろうか、もっと良い病院に、もっと良い世の中になっていればいいなと思います。若いって素晴らしいですね。
依然として入国規制が厳しい状況ですが、渡航を考えてくださっている先生方、「コロナが落ち着いたらすぐにでも行くよ!」等メッセージをくださる認定医の先生方やボランティアの看護師の皆さま、本当にありがとうございます。今までは毎週のようにボランティアの皆さまと手術活動ができ、器械や靴を洗い、掃除をし、と当たり前にできていた事がどれほど尊く、素晴らしい時間だったのかをこの数か月通して思います。
今月はこのような状況の中、小児科医1名・助産師1名が長期ボランティアとして仲間に加わりました。日本ではコロナの感染が拡大しており、医療従事者をはじめみんなが大変な時期だと思いますが、またボランティアの皆さまとここカンボジアで活動できる日を心待ちにしております。
8月はカンボジア正月連休があります。(カンボジア政府によるコロナ感染防止策により、今年4月の予定だったカンボジア正月連休が、8月に延期されました。)みんなお正月休みを楽しみに日々の業務を頑張ります!
ジャパンハートカンボジア 手術室看護師 角田
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