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カンボジアで活躍するスタッフ インタビューVol.2 ピエン看護師

up 2020.08.03

ジャパンハートカンボジアの「夢の架け橋プロジェクト」元奨学金生、ピエン看護師の紹介です。

看護師になってから5年、今では当院初めての麻酔看護師として多くの手術で活躍しています。いつも穏やかで、優しいピエン看護師。父親になり、家庭も仕事も充実して日々を楽しんでいます。
– カンボジア看護師 角田 –

カンボジアで活躍するスタッフ インタビューVol.2 元奨学金生 ピエン看護師

生い立ち

私はプノンペンから南に3時間離れたプレイ・ベンにある村で生まれ育ちました。実家は米農家で、バッファローや牛、鶏、アヒル、犬、猫と共に生活していました。小さいころはよく畑を手伝っていました。今でも田舎が好きです。この病院のあるウドンも故郷と似ていて気に入っています。

5人兄弟の末っ子で、私以外の兄弟は今でも農業をしています。多くの農家の子は、家の手伝いのために勉強を小学生まででやめることが多いです。私のことも、最初は母親が進学に反対していましたが、奨学金の試験に合格して、納得し応援してくれました。もし、合格していなかったら、私は今頃農業をしていると思います。

看護師を志したきっかけ

故郷の村には、病院もなければ、十分に医師も看護師もいませんでした。私の父は6歳の時に亡くなりました。ある日、お腹が痛くなった父はお店で薬を買いました。医師や薬剤師がいる店ではありませんでした。(カンボジアでは資格を持たず薬を売っている薬局があります。)

近くに病院がなかったため、父は受診することができなかったのです。その結果、薬の容量が過剰だったため、容態は悪くなってしまいました。オレンジや葉っぱなどを使った伝統的な薬を試みましたが、亡くなってしまいました。もし正しい知識をもった人が近くにいたら、助かったと思います。だから自分で大学へ行って勉強して、正しい知識を身に着けて、人々のために働きたいと思いました。

カンボジアで活躍するスタッフ インタビューVol.2 元奨学金生 ピエン看護師

【故郷のプレイ・ベンにて】

ジャパンハートの奨学金制度

日本が支援している高校に通っていた時、先生にジャパンハートを紹介していただきました。
(ピエン看護師はジャパンハートで2011年に開始した“夢の架け橋プロジェクト”の奨学金生として、初めて看護師になりました)その高校から、たくさんのジャパンハートの奨学金生が出ています。大学卒業後数年は、ここジャパンハートこども医療センターで働くことになっているので、今一緒に働いている医師・看護師の中には元奨学金生も多くいて、楽しいです。

里親さんは卒後2年までサポートしていただき、今でも連絡を取っています。こうして看護師になり、家庭も築くことができ、本当に感謝しています。ありがとうございます。

カンボジアで活躍するスタッフ インタビューVol.2 元奨学金生 ピエン看護師

【学生時代・奨学金生の集合写真】

ピエン看護師の上京物語

18歳の時に田舎からプノンペンの大学に進学のため上京しました。初めて訪れたプノンペンは、大きい街でエキサイティングで驚きました。最初はどこへいくのにも迷っていました。お金がないので、はじめは友人とルームシェアをして過ごしました。(現在、奨学金生はジャパンハートプノンペンオフィスで共同生活をしています)田舎にいた時は、料理なんてしたことがなかったですが、節約のために自分で料理していました。豚肉や野菜をよく炒めていました。4年間自転車で大学に通いました、いい思い出です。もちろん、医療の勉強は新しい学びが多くて楽しかったです。沢山勉強しました。

ジャパンハート子ども医療センターで働いていて

卒業後、ジャパンハートで働きはじめて、最初は病院がなかったためモバイル活動といって、地方の病院や施設に出向いて診察や手術をおこなっていました。看護師として病院で初めて働いて、手術室で働くことが特に楽しく、もっと手術に入りたいと感じていました。そのため2年前に、特に興味があった麻酔の勉強をしに、半年間の研修に行かせてもらいました(カンボジアでは半年間の麻酔研修を指定病院で受けると、麻酔看護師として腰椎麻酔や全身麻酔の管理ができるプログラムがあります。)今では麻酔看護師として沢山の患者さんに関わることが出来て、術中の管理もしていて楽しいです。時々来る、日本の麻酔科医や外科医に刺激を受けて楽しく仕事をしています。彼らは親切に沢山の事を教えてくれます。とても勉強になっています。

カンボジアで活躍するスタッフ インタビューVol.2 元奨学金生 ピエン看護師

【鹿児島大学・九州大学の麻酔科の先生方と、初めての分離肺換気】

カンボジアを離れて、海外でも活躍

3年前、日本の岡山へカンボジアの小児がん患者の付き添いで行きました。日本の病院はきれいで設備が整っていて、また機会があれば行きたいです。それと、1年前ラオスに甲状腺の手術活動に同行しました。二つとも、外国で働くという貴重な経験になりました。このチャンスをいただけたことに感謝しています。

カンボジアでは小児がんの手術はまだ少ないです。ここは多く実施されているし、それを経験出来て嬉しいです。
日本の外科チームも優しくて、参加できて嬉しく思っています。

カンボジアで活躍するスタッフ インタビューVol.2 元奨学金生 ピエン看護師
  

ライフスタイル

2年前、妻とこの病院で出会い、結婚しました。今年1月には息子が生まれ、今とっても幸せです。現在は、病院の敷地内にある社宅で暮らしていますが、休日に家族に会うのが、とても楽しみです。
他にも、スポーツが大好きで、仕事終わりにみんなでフットボールやバレーを楽しんでいます。

カンボジアで活躍するスタッフ インタビューVol.2 元奨学金生 ピエン看護師

【家族・サッカー仲間とともに】

いまは看護師になるという夢が一つかないました。次のステップとしてもっと麻酔に関して勉強したいです。カンボジアにはより専門的に麻酔に関して学べる施設がありません。そのため日本や他の先進国で専門的に学ぶことが、いまの夢です。

メッセージ

いつも応援してくれてありがとうございます。またカンボジアの人を助けてくれてありがとうございます。よろしくお願いします。今、コロナでボランティアの受け入れがストップしていますが、カンボジアでは小児がんの患者や成人の患者さんが沢山待っています。また以前のように医師・看護師などボランティアの方々が来てくれることを願っています。

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海外医療人材の育成 | カンボジア 夢の架け橋プロジェクト ~カンボジア奨学生支援~

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