第一期：３月から５月まで(ミャンマー夏休み期間)と、第二期：６月から11月までの、日本語クラスの授業内容と子どもたちの様子を全2回に分けてご報告させていただきます。
▼第一期：３月から５月まで(ミャンマー夏休み期間)の様子はこちらから
Dream Train日本語クラスのご報告（1/2）
第2回目の今回は「聴解・読解クラス（N4・N5）」「漢字クラス（N4・N5）」「漢字クラス（N3）」「上級クラス（N2）」です。
*日本語能力試験N1〜N5・・・日本語能力試験（JLPT）は日本語を母語としない人の日本語力を測る試験で、N1からN5までの5つのレベルがあります。N1が最も難しく、N5が一番簡単です。
4）聴解・読解クラス（N4・N5）
第一期：Grade10~11(4~6名)・1.5時間×週2日
第二期：Grade7~9(6名)・1.5時間or１時間×週2日
テキスト「イラストでわかる 日本語表現 初級」 JLPT読解・N4・ポイント＆プラクティス
① 聴解 ② 作文 ③ 読解①テキストの文法（イラスト）を解説、また例文を提示し、聴解の練習をする。また、テキストの問題を絵やゼスチャーを交え提示し、解答してもらいながら覚える。
②動詞などの語彙を提示し、テキストの文法を使って作文する。
③テキストの読解問題を、一文ずつ理解する。
第一期の受講者のうち、既存の日本語能力試験合格者は、N4が2名、N5が1名で、受講者にレベルの差がありましたが、全体的によくできる受講者でした。
受講者のうち、2024年7月の日本語能力試験で、1名がN3に、2名がN4に合格しました。
第二期の受講者のうち3名が2024年7月の日本語能力試験N5に合格しました。
聴解は各課の文法を使った例文をできるだけ提示し、イメージがつかめるようにしています。
また、話すスピードは最初はゆっくりと、徐々に普通のスピードにしていきます。
会話クラスの参加者が多いので、聴解はみんな優秀です。
作文は複数の語彙を提示しないと短文が多くなりますが、徐々に語彙や文法を勉強しているので、少しずつ複文が増えてきました。
読解はまず述語から5W1Hを導くように練習しています。
5）漢字クラス（N4・N5）
第一期：Grade6~11(17名)・1.5時間×週2日
第二期：Grade7~9(5名)・1.5時間×週2日
テキスト「日本語チャレンジ・漢字 N4~5」
①漢字の習得（JLPT対策）第一期はN5の漢字・100個、N4の漢字・20個を学習。第二期は継続して、N4の漢字・180個を追加。
テキストのレッスンごとに、10個の漢字を勉強します。
訓読み、音読みの確認した後、ノートに漢字を数回書いて練習します。
1個の漢字につき、日本語能力試験N5・N4レベルの漢字の語彙が1~4個提示されるので、第一期ではその漢字を使った例文を作成、提示し、受講者に読んでもらいながら、ジェスチャーを交え、覚えて行きました。
第二期では上記に加え、例文の絵カードと、単語の英訳を付けて、よりイメージし易くしました。
これにより、漢字と語彙を一緒に覚えていきます。
ここでもエビングハウスの忘却曲線を参考に、3週間に渡って反復復習をしています。
最近はテキストの日本語能力試験問題、読みのひらがな選択に注意するため、解答のひらがなを読んでもらい、正しいひらがな解答を選べるように注意しています。（発音とひらがなは違うので間違いやすい、拍、拗音、長音など）
例：問題集 （ 1.もんでいしゅ 2.もんだいしゆう 3.もんだいしゅ 4.もんだいしゅう ）
また、漢字選択問題は各漢字の訓読み・音読み・語彙をジェスチャーを交えて提示し、漢字を思い出す練習もしています。
例：母の かわりに 服を クリーニング屋へ 持っていきました（ 1.変わり 2.代わり 3.化わり 4.貸わり ）
みんなの上達は目覚ましく、テキストの日本語能力試験問題でも、70%程度、正解するようになりました。
6）漢字クラス（N3）
第二期：大学生(1名)・1.5時間×週2日
テキスト：「新完全マスター・漢字 N3」
①漢字の習得2024年7月の日本語能力試験N3に合格したので、復習として漢字を勉強しています。
各課の問題を解答してもらった後、間違いのチェックと解らない語彙などを確認します。
その後、問題の文章を分かり易く解説します。
また、問題の漢字の訓読み、音読み、その漢字の他の語彙を例文を使って導入します。
N3は日本語をかなり話せるので、絵カードなどは使いません。
漢字を覚え、語彙を増やしていきます。
N3クラスの担当は初めてですが、本当に優秀です。
7）上級クラス（N2）
第一期：Dream Train卒業生(1名)・1.5時間×週2日
テキスト：「イラストでわかる 日本語表現 中級」
日本語能力試験読解・N22023年12月の日本語能力試験N2に合格したので、復習として勉強しています。テキストを使った文法の復習と、N2の過去問題を使った読解、聴解の練習をしました。
かなり優秀なので、N2クラスの語彙、文法の復習及び習得とN1に向けた読解の練習をしていました。
6月から日本語学校に就職したため、授業を継続できませんでしたが、近い将来、N1に合格できると思います。
授業で心がけていることは翻訳ではなく、いかにイメージで定着を図るか、また、いかに分かり易い例文を提示できるか、今更ながら養成講座で習ったことの重要性が思い出されます。
特に日本語検定試験N2~N4の授業経験がなかったため、教科書、参考書、Webを調べながら、試行錯誤の繰り返しです。
また、漢字の授業は、例文を考え、既習語彙、既習漢字かどうかを調べてから、絵カード、英訳を作成するので授業準備にかなり時間を要しますが、子どもたちの会話や漢字の理解が上達していくのを見られる幸せを日々感じております。
今後も工夫して、より楽しく、分かり易い授業をしていきたいと考えています。
日本語教師・長期ボランティア 岩崎
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